朝鮮総連本部購入の問題点

朝鮮総連本部購入:差し押さえ回避狙い…元公安庁長官会見

 朝鮮総連の中央本部の土地と建物を購入した投資顧問会社代表取締役で元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)氏(73)は13日、東京・霞が関で記者会見。売買は、整理回収機構による訴訟で朝鮮総連が18日に敗訴した場合、本部が差し押さえられるのを避けるための所有権移転目的だったとしたうえで、批判には「総連は北朝鮮の大使館、領事館的役割を果たしている」などと理解を求めた。


 会見では、売買額は35億円で出資を募り調達、売却後も朝鮮総連が引き続き使用し5年間の買い戻し権を与える−−などの契約が明らかにされた。(中略)


 緒方氏によると、売買の話は4月中旬ごろ、回収機構による訴訟で朝鮮総連代理人を務める司法修習同期生の元日本弁護士連合会会長、土屋公献弁護士から持ちかけられた。在日朝鮮人系16信組の不良債権を引き継いだ整理回収機構から628億円の返済を求められた訴訟で朝鮮総連が負けた場合、中央本部の土地・建物が差し押さえられるのを避けるため所有権を移したいとの趣旨だったという。(後略)
毎日新聞 2007年6月13日)

 朝銀信用組合朝銀)は都府県単位で設立されていた朝信連加盟の信用組合の総称でした。1998年から2002年にかけて不明朗な経営により次々に破綻し、預金者保護ということで公的資金合計1兆4000億円が投入されました。(参考:朝銀って何?公的資金って何?。 参考:朝銀信用組合(Wikipedia)


 整理回収機構が金融再生法による金融整理管財人を選任し、預金保険機構に対して資金援助を申請の上、預金保険機構運営委員会において資産を買い取ることが決定された朝銀関係の買取先です。
・平成13年11月26日 朝銀長崎信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀福岡信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀山口信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀広島信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀島根信用組合
・平成13年11月26日 朝銀愛知信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀福井信用組合
・平成13年11月26日 朝銀宮城信用組合 
・平成13年11月26日 朝銀青森信用組合 
・平成14年 8月12日 朝銀近畿信用組合
・平成14年12月29日 朝銀新潟信用組合 
・平成14年12月29日 朝銀長野信用組合
・平成14年12月29日 朝銀千葉信用組合 
・平成14年12月29日 朝銀東京信用組合 
・平成14年12月29日 朝銀東信用組合


 その破綻については、朝鮮総連経由での北朝鮮への不法な送金も大きい比重を占めていたとも言われ、公的資金(税金)を投入した以上、責任の明確化とできる限りの投入資金の回収が求められるのは当然です。


 単純に、緒方氏は「かわいそうだから投入した税金を(この建物の分は)諦めてくれ」という理解を国民に求めているわけで、その観点からまずこれは同意できるかどうかを判断しなければならないでしょう。ひとまず彼や彼の背後の思惑などは置いておいて、このレベルですら私は賛成できないのですが…。もちろん緒方氏の意見に共感する方もおられるかもしれませんし、そういう方がどう御説を開陳されるのか拝見してみたいとは思っています。
 資金の回収は他人事ではありません。