どうか安らかに

愛犬「ラッキー」、被災した五十嵐さんと安らかに

 新潟県中越沖地震で倒壊した自宅の下敷きになって亡くなった同県刈羽村の五十嵐キヨさん(当時79歳)の愛犬「ラッキー」が26日夕、自宅のがれきの下で死んでいるのが見つかった。


 キヨさんが倒れていた場所の近くだった。キヨさんが孫のようにかわいがっており、家族は「やっと出してあげられたよ。おばあちゃん、安らかに眠ってね」と冥福(めいふく)を祈っている。
(中略)
 キヨさんは自分の食事やまんじゅうを分けてあげたり、一緒に散歩したりしてかわいがった。ラッキーもよく懐き、デイサービスの迎えのバスが自宅前に着くと、決まって「ワンワン」とほえてバスの到着をキヨさんに知らせた。


 キヨさんは畑仕事が好きで、採れた枝豆やホウレンソウ、自家製の漬物を近所におすそ分けして回っていた。16日も畑から自宅に戻った直後に被災。家は全壊し、キヨさんは1階の居間付近から救出されたが、亡くなった。


 家族はラッキーがいないことに気付き、がれきを撤去しようと思ったが、業者はほかの仕事に追われ、手配できたのは震災から11日目の26日。ショベルカーやチェーンソーを使った撤去作業が始まって約2時間。「いたっ」。キヨさんが倒れていた場所から約3メートル離れた所で、ラッキーは冷たくなっていた。(後略)
(2007年7月27日14時45分 読売新聞)

 地震があって、家が倒壊して、おばあさんが亡くなり、犬も死んだ…ということだけのはずなのですが、私はそこに別の意味も受け取り、可哀想にと涙し、一緒に逝けたことにせめてもの慰めを(勝手に)感じてしまいます。ちょうど「フランダースの犬」の物語のように。
 なんでしょうね、こういう時に流してしまう涙というものは。