「政府は国の状況にいい影響を与えている」と考える日本人は50%(今年4、5月調べ)

 まったく今のメディアの論調を考えると信じられない感もありますが、The Pew Research Centerが今年行った国際世論調査で、「政府は(国の)現状に良い影響を与えているか」("Goverment is having a good influence on the way things are going.")という質問に対して、肯定的だった日本人の回答が50%に達していたということです。風に流されるのが人の常とはいえ、この結果をどう評価すべきか悩むところです。
(調査についてのレポート原文:A Rising Tide Lifts Mood in the Developing World


 これを知ったのは朝鮮日報日本語版の「韓国人の国家満足度、米中日より低い」という記事からでした。(こういう世論調査結果はよく採り上げるんです、朝鮮日報などは。それにしても日本のメディアは無視なのでしょうか。まあよくある調査の一つですし、信頼度の評価は私にはすぐにできるものではないんですけど…)

韓国人の国家満足度、米中日より低い=国際世論調査
 発展途上国「暮らし今より良くなる」、先進国「今より悪くなる」

 韓国人の国・政府・経済に対する満足度は、米国・中国・日本・インドに比べ大幅に低いことが分かった。米国の世論調査専門機関「ピュー・リサーチ・センター」は今年4月と5月に47カ国4万5239人を対象に行ったアンケートの結果を24日、発表した。


 2002年に続き行われた今回の調査では、発展途上国の国民のほうが、先進国の国民よりも将来の見通しが明るいことが分かった。中国86%、インド64%、ナイジェリア69%の回答者は、自分たちの子供のほうが、自身の親世代よりも「もっと豊かになる」とみているのに対し、フランス80%、ドイツ73%、日本70%、イタリア69%、米国60%など先進国国民の相当数が「将来は暮らしが悪くなる」と答え、悲観的な考えを持っていることが分かった。韓国は肯定的な見通しが42%、否定的な見通しは40%で、ほぼ同じだった。


 国の満足度では、韓国は9%で、5−9%だったパレスチナレバノンブルガリアウクライナと共に最下位圏だった。1−3位は中国83%、マレーシア76%、バングラデシュ75%で、米国は25%、日本は22%だった。韓国人の政府に対する満足度は32%で、中国89%、米国51%、日本50%より低かった。「政府は国の状況にいい影響を与えている」という回答は日本が5年前の22%から50%へと大幅に増えた一方、韓国は41%から32%へと減少した。(後略)
朝鮮日報

 この調査報告には「イスラム国家における自爆テロの支持に対して急速な落ち込み」(Sharp Decline in Support for Suicide Bombing in Muslim Countries)という副題が付けられていまして、ムスリムの一般人もテロリズムに倦んでいる状況が示されているとのことでした。

Fewer Muslims View Suicide Bombing as Justified
 Often / sometimes justified(しばしば/時々は正当化される)の質問に対する回答率が次のように変化
 (2002年 ⇒ 2007年)

 Lebanon    74% ⇒ 34%
 Bangladesh  44% ⇒ 20%
 Pakistan   33% ⇒ 9%
 Jordan    43% ⇒ 23%
 Indonesia   26% ⇒ 10%
 Tanzania   18% ⇒ 11%
 Nigeria    47% ⇒ 42%
 Turkey    13% ⇒ 16%

 これは各国のムスリムに質問した結果で5年前との推移がわかるものを抜き出した表ですが、明らかに自爆テロに対してネガティブになってきている趨勢があるようです。ただしEU加盟のごたごたとかでムスリム意識が却って高まっている(と思われる)トルコでは多少ながらテロへの肯定的な意見が増加しているのは見逃せません。
 また、5年前のデータがない国の中ではパレスチナ自治区自爆テロ肯定度が最も高く、70%に達しているということで(他に40%を越える国はない)、現在進行形で続く紛争の厳しさを示しているようです。
(※詳しくはオリジナルのレポートをご覧ください)