面白そうな 大学の授業システム
ジャストシステムのメールマガジンからの情報ですが、面白そうな授業システムの紹介がされていました。
ただいま『大学塾!!Blog』では、
「携帯電話を活用して、授業で学生の発言を引き出す」
という教育方法を実践している滋賀大学、宮田先生のインタビューを掲載中。
携帯電話というと、普通に考えたら「メール」「私用電話」など授業の敵! しかし、携帯電話の手軽さを逆手にとり、学生の参加意識や積極性を引き出し意欲や理解を高めるという、ユビキタス時代を先取りした授業を行っているのです。
今の学生のケータイに馴染んだ在り方を逆用して、それで発言をリアルタイムに求めて授業するとは考えたものです。若干の問題もありそうですが、とにかくそれで授業を成り立たせて実績を作ってしまっているのは凄いものだと思います。
私がつくった「携帯電話対応コメントカード・データベース・システム」は、学生が授業中にその場で携帯電話からケータイサイトにアクセスし、質問、意見、感想などを書き込めるしくみになっています。その内容は学内のサーバー上のデータベースに蓄積され、加工されて瞬時に講義中の教員のPCに送られます。教員は簡単な操作でそのデータを教室の液晶プロジェクタに映し出すことができます。 このシステムを使うことで、たとえば受講者が100名を越えるような多人数講義であっても、教室内のほぼすべての学生が匿名で自分の意見を板書したような環境を作り出すことができるわけです。 手を挙げて発言することにはためらう学生も、この方法なら嬉々として言いたいことを言ってくるんですよ。滋賀大学では、このシステムを活用する教員が徐々に増え、現在では年間延べ28の授業で採り入れられています。 (インタビュー〜その1〜より)
最初にこの紹介を見た時の第一感では、まさか匿名で発言をさせているとは思いませんでした。教員のところでフィルタリングできるとはいえ、思い切って匿名にしても発言の意欲が学生にあり、かつ意味のある発言の集積ができるんだということにちょっと感動です。 ここらへんはあるいは実名−匿名論争に一石を投じるかもしれませんね。
何と言っても大きいのは、全体に授業が活性化し、学生の参加意識や思考力がぐんと深まるということです。 まず自分のコメントが授業の中で取り上げられ、評価されることで、学生のやる気と自信が大きくアップします。これはとてもわかりやすく測定できる話で、授業を重ねるごとに学生の書き込みの分量がどんどん増え、内容的にも突っ込んだいい意見が増えるんですね。彼らが持っている潜在力は、やっぱりすごいものがあるんです。 (インタビュー〜その2〜より)
そして、このケータイによる発言のシステムを呼び水にして次のステップが望めるというのも驚きでした。
1つのセメスターの終盤になると、みんなだんだん携帯電話からコメントを送るのが面倒になって、その場で手を挙げて発言するようになってきます(笑)。もっとも、こうした授業こそ私が目指したものなんですね。携帯電話は、あくまで最初のきっかけを与えるツール(携帯情報端末)に過ぎないんです。 (インタビュー〜その2〜より)
はじめに問題かなと私が思ったのは、皆が皆ケータイを持っているわけじゃないだろうということ、またそれぞれの習熟度も違うでしょうし、いくつかの点でディジタル・ディバイドが考えられるということでした。でも発言が匿名ということでしたら、この問題のかなりの部分がクリアされるのではないかとも思います。もちろんケータイを持てない学生に対する対策は考えなければいけないのですが…
すべての授業がかくあるべしというのではなくて、これに向いた授業にはとても効果があるだろうことは直感できます。非常に面白い試みだと思いました。
■大学改革スペシャルインタビュー 宮田仁先生
〜その1〜 「手を挙げて発言することにはためらう学生も、この方法なら嬉々として言いたいことを言ってくるんですよ」
〜その2〜 「携帯電話を活用したからこそのメリットがあります。それは、学生たちがいつでもどこでも学べるe-learning環境を実現できたということです」
〜その3〜 ジャストシステムのテキストマイニングソフト「TRUSTIA」との連動(←ここ少しコマーシャル)