不眠について

 お酒を飲まなければ入眠にちょっとした困難があるのではと不安を覚えてしまったり、それで飲んで寝た時には尿意などで中途で2度3度と起きてしまったり。ただでさえ早起きになってしまっている傾向があって、宵っ張りができなくなってしまっていたりと、私の睡眠もあまり良質なものと実感できない今日この頃です。
 週に何度かお酒をいただかない日を設けるようにはしています。夕べもお酒を飲まずに眠ったのですが、こういう日だけなぜか寝坊です。8時間眠ってそれでも何か寝足りたという感覚に欠けるように感じてしまっています。(それでも朝ゆっくりしたいならお酒抜きですね。飲んだ日は結構朝早くにもう起きようという具合になります)
 そんな感じで、ちょっと誰かの知識を欲しているところでした…

 睡眠障害の診断チャート生活習慣病や睡眠環境に問題あり >環境因による不眠
 ↓no
・身体疾患により睡眠が妨げられる >身体因による不眠
 ↓no
・睡眠を障害する可能性のある薬の服用 >薬剤性不眠
 ↓no
・何度も中途覚醒する、あるいは過眠になる
 睡眠中窒息感をおぼえる。
 呼吸停止によって中断される激しいいびき >睡眠時無呼吸症候群
 ↓no入眠障害、床に就いた時
 下肢に異常感覚を覚える >レストレスレッグス症候群
 ↓no入眠障害、さらに中途覚醒
 睡眠時に意図しない反復性の
 足関節の運動が起きてしまう    >周期性四肢運動障害
 ↓no
・著しい入眠障害と起床困難  >睡眠相後退症候群
 ↓no中途覚醒早朝覚醒抑うつ感、興味喪失 >うつ病
 ↓no早朝覚醒、夕方からの眠気  >睡眠相前進症候群(高齢者の早朝覚醒)
 ↓no中途覚醒        >中途覚醒不眠症
 ↓no入眠障害のみ      >入眠障害不眠症・精神生理学的不眠

(日経メディカル2007.11、田ケ谷浩邦「睡眠障害の診断」より。表現を一部改変)

 医師がこういうように不眠のタイプ分けを診断しているのかと参考になりました。素人診断はできませんが、ちょっとした心覚えにはなりそうです(実際、自分がどこにあたるのかいろいろ考えてみますが今一つわからないようにも…)。上記「入眠障害」の表現については「入眠に30分以上かかる」あたりが一つの基準ということのようです(※一般に正常な睡眠時間は6.5時間以上、入眠にかかる時間は30分未満とされるからです)。


 日経メディカル特別編集版の2007年11月号は「眠れない日本人 重要性増す睡眠障害の治療」というタイトルで様々な睡眠と疾病についての記事を載せていますが、不眠が高血圧や糖尿病の危険因子であることや睡眠不足がうつの頻度を高めるといった調査結果を読んで、眠れないことを軽々に考えることもできないなと思わせられました。
 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)や周期性四肢運動障害なんていうのも初めて見る言葉でしたが、従来日本にはほとんど症例がないように思われていて実は人口の2〜4%存在することがわかってきたものだそうです。前者は「下肢に耐え難い運動欲求と不快感を生じ、じっとしていられない感覚が起こる」ものだそうで、これに往々にして後者が合併症として現れるとのこと。(後者については「睡眠中に生じる反復性の足関節の背屈運動が中心となる不随意運動」が単位時間あたり15回以上生じるものだそうです)


 もちろん詳しい(確かな)診断は医師につけてもらわなければならないのですが、「患者によく眠れているかと聞くのは医師の基本だ」とか「患者、医師をはじめ社会全体が睡眠の重要性を理解すべき」などというキャッチで記事が書かれているのを見ると、必ずしも大多数の医師が不眠の重大性を認識してもいないんじゃないか…と逆に思ってしまったり。

睡眠障害国際分類改訂版:ICSD-2(2005)による不眠症の定義
 A)入眠困難、睡眠維持困難、早朝覚醒、回復感欠如などの夜間睡眠困難
 B)上記のような睡眠困難が適切なタイミングと適切な環境下であるにもかかわらず起こる
 C)夜間の睡眠困難の結果、日中の問題が起きている:疲労、不調感、注意・集中力低下、気分変調

 自分ではこの「睡眠障害」には何とか引っかからないでいるように思えるのですが。