諷刺

 上の記事が諷刺(a satire)だとして、何について「社会や人物のあり方を批判的・嘲笑的に言い表」しているのかということも興味深いです。
 まず一つ考えられるのが「Anyone but Hirallyという風潮に対して」の風刺です。ヒラリーでなければ誰でもいいと言うのは単なる好悪の感情。政治的に誰が最善かを真剣に考えるというよりはただの思考停止じゃないか…というおちょくりがあるのかもしれません。


 またそれが心情的なヒラリー支持側から出たのでないとすれば、もしかしたら流れ、流行に乗りがちな人々の熱狂についての風刺かもしれません。つまりそれほど「オバマ旋風」「オバマ・ムーブメント」が凄くて、あんたらただみんなが盛り上がってるから尻馬に乗ってるだけじゃないか…という冷笑的態度がそこにある可能性は考えられます。


 そして次に考えられるのは「男性中心主義の考え方からすれば人種差別なんて二の次だぜ」とでもいったものに対する風刺です。これはなかなか考えさせられるものかも。つまり偏見なんてものはただの「偏見」でしかなくって、場合、立場、見方によってはあっさり無意味化してしまうものなんだぜということを皮肉を込めて気付かせてくれる、何だかそういう深みが感じられる風刺なのかもしれません。


 いずれにせよただのネタ記事であったというよりは、何かしら主張・風刺が込められていたようにも思えるというのは、さすがにアメリカン・ジョークの本場だけある…と思ったのでした。