浄土真宗本願寺派の要請

 浄土真宗本願寺派:福岡教区、チベット人の人権擁護など要請 /福岡

 浄土真宗本願寺派福岡教区(416カ寺)は9日、中国駐福岡総領事館中央区地行浜)を訪ね、中国政府が中国チベット自治区チベット人に圧力をかけていることに対し、平和的解決を求める要請書を手渡した。


 要請書は武樹民・福岡総領事にあて、武力鎮圧の中止▽対話による解決▽チベット人の人権擁護−−を求めている。また書面では、満州事変(1931年)の際に中国仏教会から日本仏教者へ「侵略戦争停止」を呼びかける書簡が送られた事実に触れ、「当時の日本仏教者はこの要請に対し何も行動せず、侵略戦争を後押しした。このことを深く反省し、非暴力の立場からチベット人の人権を侵害しないよう要請する」と述べている。


 総領事館側は取材に対し「要請書の内容が基にしている(僧侶の拘束や実弾発砲といった)報道は事実ではない」とコメントした。

〔福岡都市圏版〕

毎日新聞 2008年4月10日 地方版

 「侵略」の語をこういう風にでも中国に対して使えるのは、大手メディアでも(というか大手ほど)できないことだと思いました。かなり突っ込んだ意見をぶつけたものと評価できます。
 浄土真宗本願寺派は少しく政治づいた言動をするところだと思っていましたが、チベット問題に関してもすでに3月18日には次のような声明を出していて、これは真っ当な人が多いのだろうと拝察されます。

 チベット情勢についての声明


  この度、中国チベット自治区ラサにおいて、僧侶や市民による政府に向けての抗議行動に対して、武装警察隊が出動し、鎮圧にあたり、多数の死傷者を出しているとの報道に接しました。現在、さらに混乱は広がりを見せているとの報道もあり、私たち浄土真宗本願寺派は、いよいよ事態が悪化していくのではないかと深く憂慮しています。


  チベット仏教の聖地とされるラサ市におけるこうした事態は、同じ仏教徒として大変悲しいことであります。 お釈迦さまは、「すべての者は暴力におびえ、すべてのものは死をおそれる。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」(『ダンマパダ』)と説かれています。


  私たちは、宗祖親鸞聖人の「世のなか安穏なれ」との願いのもと、いのちの尊さにめざめ、それぞれのちがいを尊重し、ともにかがやくことのできる「御同朋の社会」をめざしています。


  暴力や武力による行動ではなく、あくまでもお互いの立場を尊重し合いながら、平和的な対話などによって、これらの深刻な事態の速やかな終結を望みます。


2008(平成20)年3月18日


浄土真宗本願寺派
総 長  不 二 川 公 勝


 早暁来日したダライ・ラマ14世の会見は、7時のNHKニュースでもそれなりに大きく扱われたように思います。(もっと小さくしか扱わないと思っていました)そしてニュース中で「青蔵鉄道チベット青海鉄道)」についてチベットの人が必ずしも歓迎しているものではないということを報道したのは一つの前進だと感じました。あれだけ脳天気に特番を組んで囃したてていましたから、それに疑問符をつけたのは当然とは言えなかなかのことです。
 サンフランシスコの「非公開」のトーチリレーは失笑ものです。あれに何の意味があるのか誰にもわからないでしょう。