米国産牛肉輸入問題

 アメリカ産の牛肉輸入問題で輸入反対のろうそくデモに毎日参加した韓国の人たちは、根拠の無い流言に惑わされていると思えてなりません。誰かが政局にしようと煽っている感も無きにしもあらずです。ろうそくデモが盛り上がる辺りまでを、取りあえず報道からまとめてみました。(あまりに長いので最近のあたりは省略しました。朝鮮日報日本語版なりでご確認ください)
追記:追加情報を以下に→ろうそくデモ

以前の状況(盧武鉉大統領当時)

2003 米国で牛海綿状脳症(BSE)感染した牛が見つかる
2003/12 韓国政府、米国産牛肉の全面輸入禁止


2006/09 米韓で輸入再開交渉まとまる(韓国政府による3条件の設定)
1) 生後30ヶ月以下の牛であること
2) 脳、脊髄、腸、骨が除かれていること
3) 韓国が認める特定の施設からのみ輸出すること


06/10/30 輸入解禁後の第1回目の牛肉が韓国に到着
 カンザス州クリークストーンファーム社の8.9トン(720箱)。
 韓国の検疫所はその肉全量をX線異物検知器にかけてチェック。
 720箱中1箱から1個の骨片が発見される。(骨の大きさはは縦1cm横6mm)
 送られてきた720箱全部を、廃棄もしくは米国へ差し戻し処分に。


06/11/23 2回目の輸入牛肉到着(cf.農業情報研究所(WAPIC)
 ネブラスカ州のプレミアム・プロテイン・プロダクト社の3.2トン。
 肉全量をX線異物検知器にかけてチェック。
 3つの骨のかけら(2.2cm、1.3cm、7mm)が見つかる。
 再び、全量廃棄または差し戻し処分が行われた。


06/12/1 3度目の輸入肉10.2トンがネブラスカ州から届く。
 7個の骨片が発見され、全量廃棄・差し戻し処分。


06/12/21 韓国政府農林部、米国産輸入牛肉からダイオキシン検出と発表
 第3次米国産輸入牛肉(10.2トン)から6.26ピコグラム(pg/g fat)のダイオキシンを検出。
 韓国内残留許容基準値(5ピコグラム)を少し上回る数値。


07/02/7,8 牛肉輸入問題解決に向けての米韓技術者会談が、韓国で行なわれる。
 会場となった国立獣医科学検疫院前では、米国産牛肉輸入反対者たちが激しい抗議行動を展開。
 アメリカ代表の車に卵を投げつけるなどして27人が逮捕。


07/03/08 米国産牛肉:韓国、輸入再開に合意(朝鮮日報

 韓国政府は6日、骨のない米国産牛肉の輸入を再開することで電撃的に米国側と合意した。


07/04/25 【社説】3年ぶりに輸入再開された米国産牛肉(朝鮮日報

 米国産牛肉の輸入が、事実上再開された。2003年12月に米国で狂牛病にかかった牛が発見されたのを受けて輸入が禁止されてから、3年5カ月ぶりのことだ。米国産牛肉はこれ以前にも、昨年の10月から12月の3回にかけて22.3トン輸入されたが、検疫の過程で指のつめほどの大きさの骨片が11個見つかったため、すべて米国に送り返された。

 これまでに米国で発見された狂牛病の牛は全部で3頭だ。このうち1頭は、カナダから輸入された乳牛だったため、米国産としては2頭がすべてだ。一方、米国で飼育されている牛の数は1億頭におよぶ。現在2億人の米国国民と世界90カ国の人々が米国産の牛肉を口にしているが、これまでに何か問題が起きたことはない。250万人に及ぶ在米韓国人や留学生に限ってみても、それは同じだ。


 それにもかかわらず、依然として一部の市民団体は「国民の健康を脅かすことになる」とし、国民の不安をあおる戦略をとっている。政府が米国からの圧力に屈し、国民を狂牛病の危険にさらしているという主張だ。一部ではこの件を反米運動の起爆剤として利用しようという動きもある。公営テレビ局も、わざわざこうした主張を持つ人々の発言を選んで報道し、「狂牛病を懸念する声がますます高まっている」としては国民を惑わしている。


07/05/31 米国産牛肉:カルビ肉から大量の「あばら骨」検出(朝鮮日報

 農林部は30日、「今月25日に釜山港を通じて米国から輸入した牛肉(カルビ肉)492箱を検疫した結果、2箱(53キロ)から除去されるべき骨が検出され、計36カ所の米国輸出作業場のうち1カ所に対し船積み作業を中断するよう要請した」と明らかにした。現在の韓国の国内規定では、外国産牛肉は「30カ月未満の骨なし牛肉」だけが輸入可能となっている。


07/07/16 【社説】米国産牛肉に牛ふん振りまいた非常識な反FTA団体(朝鮮日報

 米国産牛肉の一般向けの販売が再開された13日、「韓米FTA阻止汎国民運動本部」をはじめとする団体の関係者らが牛肉売り場に集結し、牛ふんをばらまくなどして販売を妨害するデモを行った。一同は米国産牛肉を販売する小売業者に対し、不買運動を開始すると脅迫し、一部の業者に対しては「米国産牛肉は販売しない」との覚書を書かせた。まるで暴力団がテーブルをひっくり返し、食堂の主人などからみかじめ料を脅し取るのを思わせるような、暴力行為だ。


07/07/29 【コラム】「米国産牛肉を食べると発狂死」という主張(朝鮮日報

現代という時代が、「米国産牛肉を食べれば脳に穴が開き、発狂死する」といった低いレベルの論争よりも冷静かつ科学的な論争が交わされるべき時代であるということをわきまえている国民は、イデオロギーを中心とした「食べ物」論争に飽き飽きしているのだ。


07/08/04 【社説】米国産牛肉の安全性は米国の姿勢にかかっている(朝鮮日報

 農林部は先月29日に輸入された米国産牛肉1176箱の検疫処理を行う過程で、輸入が禁止されている脊椎(せきつい)のかけらが混入している製品を発見し、米国産牛肉の検疫処理を中断した。


07/08/25 米国産牛肉:27日に輸入検疫再開(朝鮮日報

 1カ月近く中止されていた米国産牛肉の輸入が再開される。

 農林部のイ・サンギル畜産局長は「今回脊髄が検出されたのは米国の検疫システム上の問題ではなく、輸出用の箱を包装する際、従業員の不注意により発生した偶発的な事故という米国側の説明を受け入れ、検疫を再開することにした」としている。


07/10/06 米国産牛肉:またも危険部位発見、検疫が全面中止(朝鮮日報

 米国産牛肉に対する検疫で、牛海綿状脳症BSE)の原因となる異常プリオンたんぱく質が蓄積しやすい「特定危険部位」に該当する脊椎が再び発見され、検疫が全面中止となった。


08/01/19 米国産牛肉:韓国政府、骨付き肉の輸入許可を検討(朝鮮日報

 韓国政府が米国産牛肉の輸入交渉で、現在輸入が禁止されているカルビなど骨付き肉の輸入を段階的に受け入れる案を米国側に提示したことが、18日に確認された。


 しかし米国側は「一括して前面開放せよ」と述べ、韓国側の段階的開放案を退けた、と外交通商部関係者は話している。


 現在韓国は米国産牛肉について、屠殺の時点で30カ月未満、さらに脳や脊髄(せきずい)など狂牛病の危険のある特定危険部位や骨をすべて除去した肉しか輸入を認めていない。

李明博大統領就任以降

2008/02/25 韓国第17代大統領に李明博氏が正式就任


08/04/12 米国産牛肉:韓米、交渉初日は進展なし(朝鮮日報

 米国産牛肉の輸入条件の改善に関連し交渉が行われた初日の11日、農林水産食品部の閔東石(ミン・ドンソク)農業通産政策官は、「米国は国際獣疫事務局(OIE)から狂牛病危険統制国に指定されているが、わが国に対し、年齢と部位に制限を設けず輸入することを求めている」と語り、交渉に進展がなかったことを伝えた。両国は14日に交渉を再開する。

08/04/15 李明博大統領、5泊7日の日程でニューヨーク、ワシントン、東京の3都市を訪問するため出発
08/04/18 韓国牛肉市場、米国に対し事実上の全面開放(聯合(YONHAP)ニュース

 米国が韓米自由貿易協定(FTA)の前提条件に掲げていた米国産牛肉の韓国輸入交渉がついに妥結した。早ければ5月中旬から、カルビ(あばら肉)など骨付きの米国産牛肉が輸入される。
 農林水産食品部は18日、「米国産牛肉の輸入衛生条件の改定に向けた韓米高官級協議の結果、米国産牛肉の段階的な輸入拡大に双方が合意した」と発表した。第1段階として「30カ月齢未満」の牛から生産された、カルビなど骨を含む牛肉の輸入が認められ、今後、米国が動物飼料措置の強化を公布する場合には、国際獣疫事務局(OIE)の基準に従い月齢制限を完全になくすことにした。あわせてOIEの規定どおり、牛海綿状脳症(BSE)の特定危険部位や頭部の骨、背骨などに残っている肉を回収して生産した肉も、輸入品目から外される。

08/04/19 李明博大統領、ブッシュ米大統領とキャンプデービッドで首脳会談


08/04/23 韓国、米国産牛肉を全面開放へ(中央日報

 米国産牛肉が5月21日ごろから年齢制限なく輸入される見通しだ。 当初は30カ月未満の牛肉からまず輸入し、段階的に30カ月以上の牛肉に拡大していく方針だったが、年齢に関係なく全面開放されることになったのだ。

韓米牛肉交渉で、政府は第1段階として今年5月から30カ月未満の骨を含む牛肉の輸入を認め、第2段階では、米国が強化した動物性飼料禁止措置を公布すれば30カ月以上の牛肉も輸入する、という内容で米国側と合意した。 しかし米国が直ちに動物性飼料禁止措置の公布手続きを進めたことで、30カ月以上の牛肉輸入時期が大幅に早まることになったのだ。


韓国MBC、『PD手帳』「米国産牛肉は果たして安全なのか」を放映


08/05/02 【社説】MBC狂牛病報道は米国産牛肉排斥運動(朝鮮日報

 MBCの人気番組『PD手帳』は、4月29日放映分のタイトルが「米国産牛肉は果たして安全なのか」というものだった。その内容は「韓国人の94%が狂牛病の発病を誘発する遺伝子を持っており、感染する可能性は英国人や米国人の2倍から3倍に達する」というもので、さらに「米国産牛肉を食べるのは、まさに動物実験が行われるようなもの」という米国の消費者団体関係者の証言も紹介した。

 今回のPD手帳による騒動は、テレビが何らかの意図を持って世論を導こうとすると、その社会的影響がいかに大きくなるかを示している。映像と音声で同時に訴えることのできるテレビは、視聴者の考えや感情をアイロンで皺(しわ)を伸ばすかのように瞬時に変えてしまう。テレビの強大なパワーは、暴力へと一変する可能性を常に秘めているのだ。


 しかしテレビで放映された「米国産牛肉の怪談」には、あまりに誇張されたとんでもない内容が多かった。


08/05/02 キム・ミンソン、米国産牛肉の輸入を批判(朝鮮日報

 女優のキム・ミンソンは1日、李明博(イ・ミョンバク)政権が狂牛病危険部位とされる骨付きの米国産牛肉を輸入しようとしていることついて、ブログで「狂牛病(ウイルス)がうようよしている牛を骨のまま輸入しようとするなんて。むしろ青酸カリを口にしたほうがましだ。国は国民の安全と健康と幸福を守るべきではないのか」と強烈に批判した。


08/05/06 米国産牛肉:ネット上に飛び交う根拠なきデマ(上)朝鮮日報


08/05/06 米国産牛肉:相次ぐ芸能人の発言、影響力が増大(上)朝鮮日報


08/05/06 米国産牛肉:中高生に「登校拒否」促すメール拡散朝鮮日報

 「米国産牛肉の輸入に抗議し、集団で登校を拒否しよう」などという内容の携帯メールが全国に広がっている。メールは5月17日にデモ参加を呼びかける内容だが、教育当局は「全くのでたらめだ」として、事態収拾に追われている。


08/05/10 【社説】狂牛病の論文を執筆した学者の話も信じないのか(朝鮮日報

 一部の勢力はこのような客観的な事実については見向きもせず、「米国産牛肉はすべてが狂牛病にかかっており、その米国産牛肉を口にするだけで、韓国人は全員が狂牛病に感染して死ぬだろう」と執拗(しつよう)に騒ぎ立て、国民を洗脳しようとしてきた。このような虚偽の扇動により不安を抱いた幼い中高生たちまでが、「わたしはまだ15年しか生きていません」と書いたピケを掲げてろうそくデモに参加しているのだ。


韓国で米国産牛肉を巡ってパニック、狂牛病怪談がネットに出回るマイコミジャーナル 08/05/19)

 つい最近まで、インターネットや携帯電話のメッセージで狂牛病怪談」と呼ばれる噂が広まっていた。内容の一部を挙げると、「米国産牛肉の成分を利用して作った化粧品やおむつなどを使えば、それだけで狂牛病に感染する」「米国人の多くは、オーストラリアやニュージーランド産の牛肉を食べる」「韓国人の多くが狂牛病に弱い遺伝子を持っている」などだ。