全国学力テストの結果公表

 私は学力テストの結果を公表してもよいと思います。これに反対する向きの御主張は、やはり「序列化」が気になるとか、このテストの結果だけに拘ったものになって教育が歪むとか、そうした方向だと見受けられますが、何もこの一つのテストだけでリニアに教育の序列がつけられるはずは無いんです。
 このテストの結果をどう解釈しどう扱うか、それは各学校に任せればよいことであって、行き過ぎや弊害があればそれを指摘するまでのこと。何も先回りして気に病むばかりが道ではないと考えるのです。


 序列や格差がどうこうというお話を目にするたびに、このテストの上位県のことをどう考えているのかと思います。

1位 秋田県 77.2点
2位 福井県 77.1点
3位 富山県 76.0点
4位 香川県 75.0点
5位 石川県 74.6点
6位 青森県 74.7点
7位 岐阜県 74.3点
8位 山形県 74.2点
…

 ご立派な都会の県はほとんど無いじゃないですか。教育格差とかいったものがもし万一作られたとしても、その格差を生かして勝ち組とかいうものになれそうなところは見あたらないのではないでしょうか?
 むしろ問題は学力格差云々とは別のところにあるでしょう。全国で一番自殺率が高い秋田が連続トップですよ?秋田の教育関係者の方々は(喜ばしいこととは思われるでしょうが)先々のその小中学生のことを考えると、皮肉なものを感じておられるのではないでしょうかね。


 47の都道府県での結果を出すものですから、当然1位から47位までのランクはつきます。でも最下位県の上位が最上位県の下位の子よりも成績が高いこともむしろ当たり前で、これはあくまで平均のランクでしかありません。このランクでいちいちどこを貶めるとか尊大になってしまうとか、それはもとよりおかしなことなのです。
 各学校レベルでも同じことが言えます。よくある話ですが、高校生なりが"ブランド"を認められている学校に入ったとしてもそこでも一位から最下位までいるのです。それを忘れて、いい学校に入ってどうのこうの言う大人がいるから妙な話になるのだと思います。下位校のトップが進学校のどべの子より成績がいいなんてことはあたりまえにあるはずなのに、です。


 だからこのテストは、その結果をどう捉えどう活かすかを各学校に問う「学校へのテスト」にもなっているんだと思います。一人一人の成績を公表して序列化するという話ではありません。むやみに劣等感に苛まれたり、やる気をなくす子を作るものではないのです。
 というように思いますから、別に学校別の成績の公表を問題視する話でもないだろうと考えるのですが…。


全国学力テストの話(つづき)