方言の話

 二十年より前の話、住んでいたところの最寄り駅が下北沢とか世田谷代田だった頃、下北沢の南口の角店(たぶん今みずほ銀行のCDがあるあたり)に牛丼屋があって、そこに入って牛丼をお願いしたときに「おつゆもください」と言ったら「うちはおつゆは置いてないね」と店主が言いました。
 お味噌汁の意味で「おつゆ」と言ったのでしたが、それは方言であったということにその時に気づいたのです。ただその店主、「味噌仕立ては汁、醤油仕立てはつゆって言うんだ」的なことを得々と話し始めたので、まあ豆知識をもらったのはいいのですが少ししつこく感じて、それ以来一度もその店には入らなかったはずです。言い方もあろうとは思うのですが、自分も若かった所為か少し狭量だったなあと今なら。


 ちなみにその当時下北沢を「しもきた」とか略す人は(地元の人も含めて)いなかったはずです。かなり後になってそんなことを話す人がいたので「それってどこの半島?」とか突っ込んでみたことがありますが、糠に釘。今やそれが若い層には主流みたいで驚いています。
 あの時の店主と似たようなことを言っても、たぶん今は聞き流されてしまうんじゃないかなと感じますね。
 いい面と悪い面がある、ということです。