面接試験

 就職活動のピークは過ぎたにせよ、これから学校関係の面接試験が増えるシーズンですね。
 先週、面接といったあたりの専門の方からいろいろ話を聞く機会がありました。この分野はアメリカでは相当研究が進んでいるようですが、日本ではまだまだとのこと。そして、その進んでいるところでも決定的なものはまだ見えているとは言えないということで、かなり恣意的な(と言いますか曖昧な)面接がまだまだ続いてしまうようです。

面接者の欠点として挙げられているもの
1 自分がしゃべりすぎる
2 志願者それぞれに違う質問をする
3 志願者をくつろがせない
4 評価することに過度に自信を持っている
5 ステレオタイプや個人的なバイアスを持っている
6 志願者の非言語的行動に影響される
7 誰に対してもほとんど同じ評価しかつけない
8 一つ二つの長所や欠点に影響された全体評価を行う
9 それまでの志願者と今の志願者の比較をする
10 最初の数分間で評価をする
11 自分と類似点のある志願者に高評価を与える

 ここらがアメリカの企業面接などで指摘される面接の弱点というものだそうです。これは就職面接だけに限らず、また日本の面接でも結構通じている欠点のように見えます。
 大まかな問題点は二つ。まず自信がありすぎたり自信がなさすぎたりすること。そして何をどうすればいいのか、何が知りたいのかが確認されていないこと。その二つに尽きるような感じを受けます。
 1は本末転倒として、2は比較考量ができないというのが問題なのでしょう。でも9で近視眼的な比較もいけないとされているのは面白いところ。3はできるだけ素の志願者の姿を求めるという意味で結構なことだと考えますが、圧迫面接とやらはまた発想が違うところから出ているんでしょうね。個人的には嫌な感じを持っています。4の自信過剰は客観性を失わせるもので、これは5や8、もしかしたら10にもつながると思うのですが、恣意的な独断は決して良いことではないという含意があるのでしょう。また逆に自信がなければ7のようなことになってしまって、これまた面接をする意味を無くしてしまうようなもの。そして11を克服するのはなかなかに難しいことのように思われます。6はぴんとこないのですが、服装や態度にごまかされることを言うのでしょうか…


 ここらへんの欠点を補うためにどうすればいいかということも論じられていて、面接者自身に以下のようなことに留意した訓練を行うのがよいとされているようです。

1 オープンなやりとりができる雰囲気を形成する
2 一貫した質問を行う
3 面接の主導権を維持する
4 人の話を聞く技術を学ぶ
5 適切なメモを取る
6 会話の流動性を保ち、志願者に対し誘導的・高圧的になることを避ける

 いかにもアメリカの企業らしいという感じを受けますね。


 いずれ人物評価などというものは簡単にはできないものだという謙虚な認識の下に、それでもできることをしっかりやる。その際には自分たちがどういう人材を求めているのかをはっきり認識しておく、ということが重要なのでしょう。難しいことなんですが…