にもかかわらず、笑う

 昨日先生のお宅を訪問するために車を走らせていたのですが、久々にカーラジオをかけていて、そこで小学館の編集の人のインタビューをたまたま聞きました。雑誌のサライ編集部が『千年語録 次代に伝えたい珠玉の名言集』というのを出していて、その宣伝のようでした*1


 名言だの金言だのというものは然るべき時に出会えば心を動かすものと思いますが、あえてそういうものを集めた本などを買おうという考えは持ったことがありません。そういうのが好き、という方の気持ちも少しわかるつもりです。でもまあ自分の趣味、やり方ではないと思って…。


 その本は、サライ・インタビューという長く続いた連載記事の中から編集者たちが選んで編んだ本ということでした。そしてそれぞれの編集さんが選んでつきあわせた名言の中でたまたまほとんど皆が選んだ言葉があったそうで、それが「にもかかわらず、笑う」というものだったと話されていました。


 普段なら、と申しますか自分はこの手の言葉だったら少し「気を持たせすぎる」「どうとでも解釈できる」「み○をみたいだ」と思うほうです。まあね、という具合に流すのがへそ曲がりの自分らしい気がするんですが、その時は急に何かきゅんと来ました。罠にかかったようなものです(笑)


 昨日の訪問は、急に姿を消した猫の画像で作った来年のカレンダーを差し上げようと考えてのものでした。犬猫との別れは万人に共感を得る寂しさではないかもしれませんが、わかる者にはわかる、人間・家族との別れにも比すことができる悲しいものだと思います。そういうシチュエーションで、何となくハナちゃんのことを考えながら聞いていたものですから、この言葉がちょっと沁みて、是非先生ご夫妻(というよりハナちゃんのお父さん・お母さん)にも聞かせてあげたいと、三人でこのことも少し語ってみたいと、そんな気分になったのでした。

*1:文化放送浜美枝さんの番組だったと思います