英語で…
確かこういう言葉があったはず。
The lion spares the suppliant. (ライオンもすがりついてくる者の命は無理に取らない*1)
あと、プルターク『英雄伝』に出てくるテミストクレス(Wikipedia)の話をちょっと思い出します。
彼はちょうどペルシア戦争の頃のアテナイの政治家・軍人で知将です。いろんな策謀を(アテナイに良かれと?)めぐらし「アテナイをギリシア随一の海軍国に成長させ、ペルシャ戦争の勝利を導いた」人でした。
でも結局例の陶片追放で国を追われ(参考:衆愚政治)、ギリシア内で命の危険を感じるとさっさとペルシアに!
女装してペルシアに駆け込むとそのままクセルクセース1世大王に謁見。「自分はアテナイの将軍テミストクレスである」と正体を明かしそのまま亡命してしまいます。
大王は「アテナイのテミストクレスは我が手中に!」と興奮し、三度夜中に目を覚ましたそうです。クセルクセスの度量も大したもので、彼は領地を与えられ厚遇を受けます。しかしその後、ギリシア侵攻を再度考えた大王に出陣を促されると、恩ある大王にも懐かしい故郷や同胞にもどちらにも弓を向けるわけにはいかないとテミストクレスは毒杯を仰いで死を選んだと伝えられています。
なんというか「お話」ではあるのですが、潔さに感じるというのは案外ワールドワイドな人の選好ではないかと思いますね。
*1:意訳:spareの訳が意外に難しいです。