酒、人を飲む

 一杯は人、酒を飲み、三杯は酒、人を飲む

 確か福沢諭吉の言葉だったと記憶。ただ道学者めいた警句を言うだけでなく彼は本当の酒好きだったとも伺っています。

 本日たまたま中元、同社手(づ)から酒肴を調理し、一杯をあげて文運の地におちざるを祝す

 というのは明治の初年、彰義隊もお山から敗走した後の夏の言葉。戦に出ずに学問に邁進できることを喜んでのことです。ことあるごとによく飲む人でもあったそうですし、酒が人を飲まないようにすることにも気をつけられた方だったのでしょう。


 2007年の7月、麻生太郎氏が鳥取の講演で「酒はきちがい水」と言った際に*1社民党の福島党首などは「全く人権感覚がない」と批判。民主・社民・国民新党の野党三党が罷免を要求したなどという報道があったことを思い出しました。言葉狩りすればいいってものじゃないなあと…

 酒の異名
 狂薬  (晋書)
 禍泉  (清異緑)
 迷魂湯 (堅瓠集)
 魔漿  (梁武帝「断酒肉文」)
 爛腸之食(呂氏春秋)
 荒淫之源(酒譜*2

*1:報道では「酒は『きちがい水』だとか何とか皆言うもんだから、勢いとかいろんなことありますよ」と引用。(毎日新聞 2007年7月20日

*2:曹操の息子の曹植による