新型インフルエンザ

 東京都内で最初の新型インフルエンザ患者が確定したようです。それにしても一昨日あたりまで、渡航歴がない発熱患者のPCRを都内でしなかったのは馬鹿みたいなことと聞こえていました。
 患者さんの女子高生は昨日ニューヨークから帰国したという話ですが、アメリカに比べてすでに国内が比較的安全という話では無くなっています。


 全く単純な計算ですが、おおざっぱにアメリカの人口・面積で患者数(5/19時点 5123人)を割ると
 10平方キロあたりの患者数 0.0054人
 人口十万あたりの患者数 1.63人


 これに対して国内の兵庫大阪などの患者数(5/20時点 140人・117人)で計算すると
兵庫県
 10平方キロあたりの患者数 0.167人
 人口十万あたりの患者数 2.50人
大阪府
 10平方キロあたりの患者数 0.618人
 人口十万あたりの患者数 1.32人


 人口十万対で見てもすでに兵庫はアメリカを超え、大阪も肉薄しているという具合。無住の土地が広大なアメリカと比べるのも何ですが、面積あたりでは二桁違いで兵庫大阪が圧倒的です。


 これをメキシコで見ますと、あそこは患者数3648人(5/19時点)ですから、
 10平方キロあたりの患者数 0.0185人
 人口十万あたりの患者数 3.33人
 

 さすがに人口十万対ではまだ兵庫を上回っていますが、蔓延期がかなり先行していたメキシコにここまで迫っているというのですから、すでに兵庫大阪から上京・帰京した人以上にアメリカから帰国した人を警戒するのはおかしいんじゃないかということになります。つまりもう渡航歴云々はほとんど意味をなさないということですね。


 さてこれからどうなってくるのでしょう? 不幸中の幸いで、新型インフルエンザによる重篤な症状というものはまだまだ少ないとのこと。落ち着いてインフルエンザの汎発流行の一事例として経験を蓄え、駄目出しすることができるように、良くなかった点を洗い出す先行例とできればなあと思います。