こうのとりのゆりかご(続報)

 ニュースで何度か目にするようになった、5月25日発表の昨年度の「こうのとりのゆりかご」利用状況などについてですが、以下の熊本市のサイトにpdfの一覧でまとめられています。
 ⇒平成20年度「こうのとりのゆりかご」の利用状況について熊本市
 「保護された子供たちの個人特定を避ける」ということで1年に一度しか発表になりません。

 
 今年公表された統計項目では、前年度無かった「母親の年齢」や「預け入れに来た人」などの項目が増えていました。
 ゆりかごに預けに来た保護者の居住地データ(父母等との事後接触児童相談所の社会調査等により確認できたもの)は、かなり前年度の傾向とは違いを見せています。
(20年度)

父母等の居住地 件数
県内 0
九州(熊本県以外) 8
四国 0
中国 0
近畿 3
中部 3
関東 8
東北 0
北海道 0
不明 3
25

 これに対してその前の年度は、
(19年度)

父母等の居住地 件数
県内 0
九州(熊本県以外) 3
四国 0
中国 2
近畿 0
中部 2
関東 2
東北 0
北海道 0
不明 8
17

 19年度の保護者等の事後接触は5件、20年度は6件ですから、「不明」の数が少なくなっているのは児相の調査が届くようになってきたということでしょうか。「熊本県以外の九州」と「関東」そして「近畿」あたりの数が増えて、全体で1.5倍近くになっています。
 遠方から来ることで旅費等がかなりかかることになりますが、それでも増えたというのは「こうのとりのゆりかご」の認知度が高くなってきたことの証しかもしれません。(そしてもちろん近隣に類似の施設がない所為でしょう)


 新たな項目として公表されたもので気になるのは次のあたりでした。

預け入れに来た者 件数
母親 20
父親 5
祖父母 5
その他 6
不明 2

 お母さんが直接というのがこんなに多いとは。そしてここで総計が25を超えるというのは、付き添われて(一緒に)というケースが10組以上あったということなのでしょうが、それは「一人で悩んで」というより「周囲も含めて困り果てて」というタイプが多いことを暗示しているのかもしれません。
 またその母親の年齢ですが、

母親の年齢 件数
10代 2
20代 14
30代 4
40代 2
不明 3
25

 意外に、10代などのどうしていいかわからなくなったタイプのお母さんが少ないという印象です。もちろん20代でもその上でも、悩んでどうすべきかわからないという方はいらっしゃるでしょうが、イメージとしては知識が足りずに妊娠してしまって…という人がもう少し多いかと思っていたのでした。