年金試算について

 ⇒スタジオパーク 「年金の世代間格差をどう考える」NHK
 NHKや解説委員さんに文句をというわけではないのですが、上記番組の原稿を見て少し解せないと思ったところがありました。話題は政府が発表した「年金の受取額と保険料の負担額を世代別に比較した試算」についてなのですが、

A こちらは、きのう政府が発表した試算です。いずれの額も、年金を受け取り始める時点での物価や賃金の水準に換算されています。
まず、厚生年金です。夫が平均的な収入を受け取っていたサラリーマンで、奥さんがずっと専業主婦だった世帯の場合です。
◆1940年生まれの人(来年70歳)は、現役時代に総額900万円の保険料を負担して、平均寿命まで年金を受け取ると、年金の総額は5500万円。
払った保険料の6.5倍の年金を受け取ることになります。
 これに対して 
◆1985年生まれの人(来年25歳)は、総額5200万円の保険料を負担して、受取る年金の総額は1億1900万円と試算されています。受け取る年金額は、払った保険料の2点3倍です。

一方、国民年金です。
◆1940年生れの人は、払った保険料の4.5倍の年金を受け取るのに対して、
◆1985年生まれの人は1.5倍。
世代間の格差はおよそ3倍。いずれも5年前の試算より差は広がっていました。

 生産年齢が15歳から65歳ですから、おおよそこの年齢で給与を受け取ったとしますと
1940年生まれの人が給与を受け取ったのは1955年から2005年までの間
1985年生まれの人が給与を受け取ることになるのは2000年から2050年までの間
 ということになりますよね。


 教えて!にちぎん日本銀行)で物価の換算比率の目安をつける数値が出されていますが、
 1955年(昭和30年)の消費者物価指数が 297.4です
 これが1976年(昭和51年)に1000を超え(1083.7)
 2005年(平成17年)には 1765.8まで来ます。
 ですがその上昇率は1993年(平成5年)あたりから鈍化し、1998年(平成10年)の1849.2をピークに減少すらしています。
 2000年(平成12年)の指数 1818.5からですと若干の低下という具合です。これはおよそ平成3年から5年ぐらいの水準の中での変動という見当になるでしょう。


 結局言いたいのは、ラーメン一杯が40円だった頃のお金と平成になってからのお金を同じ「円」だからと単純に合算していいのか? そうやって合算して、払った合計の何倍もらえるとかいう話を1940年生まれと1985年生まれの間で単純比較していいのか? という疑問がふと湧いたということです。1940年生まれの人なんかでは、払った時の物価と受け取る時の物価がこれだけ違うのに…という単純な疑問です。
 ちゃんと調整はなされているのでしょうか?