お札の話

 「おさつ」ではなく「おふだ」絡みの、身辺雑記のような話です。
 先日の日曜は住んでいる地域のお祭りの日でした。今のところには一昨年越して来たのですが、近間の引っ越しでしたので同じ八坂さまのお祭りです。前の住居のあたりでは子供御輿だけしか回っていませんでしたが、こちらでは小ぶりの御神輿を中高生ぐらいの男の子中心に担ぎ、その後に子供御輿が続くという感じで路地を練って回っていました(今年のを見ると)。
 以前のところでは子供御輿の先触れのような小学生のお子さんが二、三人でチャイムを鳴らしてきまして、縁側から出ていって「おひねり」を籠に入れ、ありがとうの声と一緒に八坂さんのお札を置いていってくれるという形でした。
 近所でもこちらはいろいろ違うようで、町内会のほうで各戸から500円集め、その後子供会という方が回ってこられて、子無し・お子さん一人のお宅から500円、あと子供一人増えるごとに500円という具合に集めていかれました。
 「ここでは各戸に回らないんですか?」
 と班長をやられる方(の奥さん)に伺いましたがどうもここではそういうのが無い様子。確かに集金の際に「お札は必要か」というチェック欄があった記憶があり、おひねりを入れてお札をいただくシステムでは無いようでした。ただそういうのも味気ない、何かお祭りに参加した気持ちになれないと感じたのでお聞きしたのでした。
 「子供さんが元気に回ってくれば千円包もうという気にもなりますが…(苦笑)」
 という私の言葉に、
 「今度の集まりで聞いてみますね」
 と班長さん(の奥さん)*1がおっしゃってくださって、数日後にご丁寧に説明しに来て下さいました。何でもこの地域は子供の数も少なく、個別に回ると子供たちが疲労困憊してしまうだろうとのこと。そうかなともちらと思いましたが、わざわざの対応に恐縮してお礼を言ってそこは終わったのでした。


 引っ越したばかりの昨年は確か外出していて神輿の行列も見ず、お札もいただきませんでした。今年は連休でもあり家にいて御神輿を見ようという気になり、お札もお願いしてみました。
 さて、当日午後二時頃になってうちの前の路地の先の方からわっしょいの声が聞こえてきて、ああ来た来たと二階の窓を開けて待ち構えますと御神輿がやって来ます。ちょっと小さいけれど本式の御神輿かもと見るうち、3軒ぐらい向こうの家の前でなにやら御輿を大きく振っています。そしてよく見ると家の人が出てきてお札を受け取っている御様子。
 ああこれは家の前に出ているとお札がいただけるのかと思い、あわててちゃんと外着を着て玄関先に出てみました。お向かいさんの奥さんも外に出られています。そして御神輿がやって来て、お向かいさんの前で大きく振られ、お札を渡して、…うちは素通りされてしまいました。
 え?という感じで列を眺めていました。どういうお札なのか、あるいは特別に寄付したからもらえるということなのか、何かお向かいさんに伺おうと思ったのですが、行列の中の知り合いの人と話ながら奥さんも歩いていってしまわれて、タイミングを失いました。


 後に子供御輿が続いたのですが、こちらも内輪で話しながらの行列で、残念ながら顔見知りはそこに一人もおらず、また何もせぬまま行列は通り過ぎていきます。
 何なんだろう…と思って家に入りました。


 夕刻、班長さん(の奥さん)がご協力御礼の「ゴミ袋パック」を配りに来て下さったのですが、あの〜お札をお願いしたのですがと言ってもよくわからないご様子。
 「子供会のほうの話じゃないですか?」
 ということでしたし、この方にここで食い下がる話でもないと思い何となく「わかりました」と引っ込みました。釈然とはしなかったのですが…


 そして、今日帰ってきて郵便受けを覗くと、そこに二つ折りにしたお札が…


 何か怒りがこみ上げてきました。
 こんな風にポストに突っ込んでおくならもう「お札」はただの紙切れです。
 もともと和紙に判子が押してあるだけの紙。
 それを丁重に扱って尊重するからこそ意味がでてくるのです。
 どこでどういう話になったのかわかりませんが、こうやって抛り込まれるぐらいならお札なんて要りません。


 どこかで連絡が失敗したとか勘違いがあったのならそれはそれで良かったんです。でもそれなら一言、私が帰って来ている時にお札を手渡ししてもらいながら言葉を伺いたかったです。
 それが、他の郵便物や広告類の中に無造作に突っ込まれて、何の言葉もなく、これでいいだろうと言わんばかりの様子でそこにあったのを見た時、真剣に「もういい。近所づきあいなんてやめ」と心に思えてしまいました。
 こちらはただ集金のための人員では無いと、そう言いたかったです。


 でも少し考えると、これは子供会の管轄で、満足に連絡とかご免なさいが言えない馬鹿親が自分の所為じゃないけど仕方がないなあと抛り込んだのかもしれないとも思いました。ボランティアで参加させられてるんだからそういうことがあっても仕方がないとか。
 考えは悪い方へ勝手に続いてしまいます。
 子供会がどうこう言ってきても絶対に寄付なんかしない!


 その旨、班長さん(の奥さん)に言いにいこう、言ってやろうとサンダルまで履きかけたのですが…
 こういう具合にかっとなって行動に移してろくなことがなかったかもしれない、と何とか一瞬冷静さを取り戻せて、まず今は少し時間を置こうと思えたのでした。


 で、こうやってことのあらましを書き付けていたのですが、やはり自分をかき立てた「悪い想像」は自分だけが興奮して悪い連想をして作ったものだったと見えてきましたので、取りあえず今日は動かないことにしました。書いて良かった(笑)
 あとはどうしましょう。
 たかが、という話です。でも近所づきあい、人間関係なんて「たかがそんなこと」ですぐ壊れる時は壊れますよね。納得いく話がどこからか来るまで、やはり今まで通りにするのも釈然としません。少々ペンディングして、班長さん(の奥さん)が今度お金を集めに来られた時でも、少し相談するということにでもしましょうか。


 書き始めよりかなり落ち着けました(笑)
 身辺雑記の効用ですね。

*1:みんな集金だ何だと奥さんに押しつけてますね。どこでも…