カリスマ

 昨日、たまたまNHKのSONGSの矢沢永吉PART2を、それも半ばを過ぎたあたりから(見るつもりもなかったんですが思わず目を奪われた感じで)見たのですが、確かにこの矢沢永吉という人はカリスマを持っていると感じました。
 番組の部分部分に「20代との対話」を挟んだトーキングライブだったようなのですが、彼の語り口や話を聞く若者たちの様子は、まさにカリスマを持つ人とそういう人に対した人間たち。非日常的な力がそこにあるように確かに感じました。
 話の内容は、おそらく文字起こしして文で並べれば案外当たり前のことに受け取れるぐらいのもの。矢沢さんの語り口も力が抜けたような普通の口調。それでもあの場には矢沢さんによって何かが"立って"いたように見えました。
 正直、教祖タイプと言われる人たちもこんなだったんだろうなと最初に思えたほどで、それで引き込まれて視聴を続けたという次第。


 おそらく矢沢さんが何を話したかということは、状況のほんの部分に過ぎなかったと思います。また彼が何を考えていたかなんてほとんど関係なかったでしょう。矢沢さんに語りかけた人、それを聞いていた人たちは矢沢さんのカリスマに触れ、あの場の雰囲気に痺れて、何があっても自分で自分を感じさせずにはおかないという状況になっていたように見えました。


 だまそうと思って人をだます人は二流、三流なんですよ。
 一流の人はだまそうなんてこれっぽっちも思わずに、周囲が勝手にだまされるような具合になるんだなと、そんな変な感想を持ちながらたぶん私も画面を見ながら感動して(だまされて?)いたのです。
 こんな本物の人とは思いませんでした。すごい人です。