地震の名称などなど

 はてブで「民主党県連が梅谷県議を処分」という新潟日報の記事があがってきていて、それは次のようなものだったのですが、一瞬意味が理解できませんでした。

 中越沖地震命名をめぐり、上越市区選出で民主党の梅谷守県議(33)が「(上中越と)『上』の字が入らなくて良かった」などと参院選比例代表候補の応援で発言したことを受け、民主党県連は22日、梅谷県議を当面謹慎とし、90日間の役職停止とする処分を決めた。


 党県連では「被災地への配慮を欠いた軽率な発言。弁明の余地はない」としている。
新潟日報2007年7月22日)

 後にrikuoさん@「聴く耳を持たない(片方しか)」で■[中越沖地震]風評被害という記事にまとめられていたものを見て、やっと意味がわかりました。
 上越は大丈夫だというイメージが保たれたから、名称に「上」が入らなくてよかったということなんですね。(それにしても新潟の(観光地としての)風評被害というのが結構深刻そうでびっくりです)


 何故このニュースの意味がピンとこなかったかと言いますと、1983年の日本海中部地震の時、流れていた噂が頭にあったからです。まだネットが普及しているわけでもなく(マッキントッシュのデビューですらこの翌年。国産PCの記憶装置はカセットテープとかいう時代ですし…)噂は主に口コミで伝わったと思います。
 それは、「何故『秋田沖地震』にならなかったのかというと、秋田の名称が入れば青森も山形も復興支援のお金が少なくなるから、政治力で秋田という名称は押さえられたのだ」という噂でした。
 実際気象庁命名する以前に『日本海秋田沖地震』とか『秋田沖地震』などという名称がメディアで使われた一時期がありましたし、亡くなられた104名のうち83名が秋田での被害で、とりわけ遠足に来ていた多数の児童が被害を受けた一番記憶に残る悲劇がこちらでしたから、なぜ「日本海中部」という名称が突然出てきたかについて憶測を呼んだのだと思います。秋田沖が日本海中部と呼ばれることはこの件以外ではないと思いますし。


 被害とは全く関係ないところでこういう勘繰りが出されるのもいやなことだとは思いますが、20年前とはまったく逆の(名前を入れて欲しくないという)ところで地震命名についてひと悶着あったというのには、少し驚かされました。

人力検索はてなのお代

 この頃はあまり回答していないのですが「人力検索はてな」は時々覗いています。ある回答の中にこういう言い方がありました。

 そんなに時給にこだわる君が、50円以下で法律知識をなんて言ってるのがおかしくないか?

 これで全文です。つまりこれはある質問に対する答えではなく、回答欄を使った質問者批判となっています。(個人攻撃とかが主眼ではありませんので、質問および回答者は明記しないでおきます)
 さてこれについてですが、基本的に回答欄でこういう批判をするのは掟破りもいいところで正当化できないと考えます。質問が終了してからいわしでやればいいこと。(もしそれが相手に届かないと考えたとしてもです。何なら自分で記事にしてトラックバックを質問に向けてもいいわけです)


 人力検索はてなは「遊び」の要素が大きいと思います。ポイントは風味付けの意味合いでしかないでしょう。それを了解した上で質問者も回答者も真剣に(あるいは時々洒落でも)質問と回答を寄せあっていると私は認識していました。真面目に遊べない人は最初から他所へどうぞ…という感じです。
 デフォルトでの質問開始ポイントは50ポイント、すなわち50円相当ですから、これを以って安い云々という人は回答しなければいいんです。また質問者が「いい回答」をたくさんもらいたいと考えれば、初期値を上げてもいいんです。ただしそれにしても実社会では考えられないような安い設定にたいていなっているんですが。(それでも500ポイントからだったら、おおっと注目を引けるような気がします。だから「遊び」なんです)


 回答を1つ開くごとに10ポイントずつかかります。だからこそこういうしらける回答になっていない回答は避けて欲しいんですね。「遊び」が遊びでなくなってしまうからです。面白がらなければ誰もこういうのはやれませんよ。人力検索で生活することなど誰にもできないでしょうし…


 ただし、最近私もちょっと「この内容*1でこの金額?」と思ったことはありました。誰も回答を寄せてくれないか、何も考えずに答えてみるタイプの回答者しかつかないんじゃないの?という感想を持ったのでした。ただそれは個人的な感想ですし、質問者が兼ね合いを測るのも「遊び」のうちですから黙ってましたけど。
 また、明確に自分の益になるだろう「はっきりした質問」をいわしで問うているものを見つけたときは「そんなにポイントが惜しいのか…」という感じも抱いてしまってました。いわしはあくまでも談論風発を期待するもので、言ってみれば1〜数ポイントで実利を上げようという卑しさがそこにあるように思えてしまったんです。お金が絡むとこういう感想が出るというのが怖いところかなと、自分でも思いましたね。


 結局のところ、最初に引用した「回答」には強く批判的ではありますが、どこか似たような感想を持ってしまったことを憶えていた自分は少しアンビバレントな感じを受けたと、そういうことを書き留めておこうと思ったのでした。

*1:洒落にならない。あるいはむやみに難題の

人質事件デッドライン延長

 アフガニスタン:交渉期限を24時間延長 タリバンが通告

イスラマバード栗田慎一】アフガニスタンで医療ボランティア活動に携わる20〜30代のキリスト教徒の女性を中心とする韓国人23人を拉致し、殺害を警告していた旧支配勢力タリバンは指定した交渉期限の22日午後7時(日本時間同11時半)が過ぎた直後、「期限を24時間延長する」とアフガン政府に通告した。タリバンは人質解放の条件に「駐留韓国軍の撤退」と「人質と同数のメンバーの釈放」を要求、同日現地入りした趙重杓(チョジュンピョ)・外交通商省第1次官ら韓国政府対策チームやアフガン政府との間で人質解放に向けたぎりぎりの交渉が続いている模様だ。(後略)
毎日新聞 2007年7月22日)

 解決にはほど遠いのですが、とりあえず一日の猶予ができたようです。タリバン側も交渉の実(今回はおそらく何人かのメンバーの釈放)を取りたいと考えているのではないかと見えます。
 それにしても「医療ボランティア活動に携わる」という表現は微妙でしょう。彼らはコメディカルでもなく、医薬品を届けるというあたりのことをしているわけですから。そして「20〜30代のキリスト教徒の女性を中心とする韓国人」という表現も嘘ではないでしょうが、どうしてこんなふうにぼかした書き方をしなければいけない(と毎日新聞が)思っているのかがかなり気になります。


 あるいはイラクでの日本人人質事件の際のような「自己責任論」的なものがこのニュースに絡んでくるのを避けたいと考えているのかもしれませんが、それにしてもこういうミスリーディングを誘うかのような記述を繰り返すようでは、メディアの中立性は信用できなくなると思うのですが…。
 昨日も思いましたが、日本のメディアはなぜニュースを受け取る側を「誘導」しようという感じが強いのでしょう。もしそれが「善導」だったとしても、はっきり言って余計なお世話にしか思えないんです。
 以下の社説のように強く意見を言う必要はないでしょう。隣国の人たちのことですから。ただ、情報は情報としてきちんと伝えて欲しいんですね。
 【社説】無謀過ぎるアフガニスタンでの宗教活動

 アフガニスタンで19日、京畿道城南市盆唐区のセンムル教会の信者や現地の韓国人宣教師ら約20人がバスで移動中にタリバン武装勢力に拉致された。信者らは今月13日にアフガニスタンに入国し、病院や幼稚園などで奉仕活動を行い、23日に帰国する予定だったという。
(中略)
 アフガニスタンでは今年2月、韓国軍茶山部隊所属のユン・ジャンホ下士(軍曹)が爆弾テロで亡くなった。4月にはイタリアの新聞記者と一緒に拉致された通訳が処刑される事件もあった。今回の事件が起きた前日の18日には2人のドイツ人が拉致されており、タリバーンの関与が疑われている。キリスト教への反感が根強く、銃撃戦や拉致、爆弾テロが横行しているアフガニスタンで、韓国人が宗教活動を行うのは無謀な行為だ。今回拉致事件が起きた地域の州知事は、「(被害者らは)戦乱で荒廃したアフガニスタンに来るべきではなかった」と語った。昨年の8月にも、政府外交部の度重なる警告や慰留を振り切ってある韓国のキリスト教団体がアフガニスタンの首都カブールで大規模な宗教行事を開催し、現地当局によって追放処分を受けるという出来事もあった。
(中略)
 政府は何としてでも拉致被害者を安全に連れ戻さなければならない。一方宗教団体もこれからはアフガニスタンをはじめとするイスラム圏で無謀な宗教活動を行うのは控えた方がよいだろう。そうした行為は国に困難をもたらし、国民を不安にさせるものでしかないことを、よく認識すべきだ。
朝鮮日報日本語版 7/21社説)