靖国問題の基礎知識2

Q 韓国や中国からなぜ首相の靖国参拝が非難を受けるのですか?


A1 総理大臣や諸大臣が靖国公式参拝してますよ、これは日本が軍国主義を復活させる兆しですよという類の中傷が、日本の一部の人々から中国・韓国に伝えられたのがきっかけではないかと…。ただし伝えた方も「ため」にする主張でしたし、受け取った方も煽る方は「ため」にする材料にしているだけかとも考えます。


A2 中韓の側に誤解も多々あります。元日本軍人の御遺族が「位牌を返せ!」とか言っているのも、単なる知識不足の誤解です。靖国に御位牌はありません。位牌をおくというのは本来儒教的な祭祀方式なのですが、日本では仏式の葬儀に形式が伝わり、仏壇に御位牌が置かれているのが普通です。神道にはそれがありません。靖国では、戦死者の魂を「英霊」と呼び、一柱一柱が「神様」ということになっています。これは彼らの信仰ですので、そこから返せとか出すなとか他の人が言える類のものではありません。いやなら無視していればいいだけです。特に韓国では、複数のところで死者が祀られていると、その霊は安らかでないという観念がありますので、返せといいたくなる気持ちもわかりますが、他国人の宗教にどうのこうの言う方がおかしいと早く気付いて欲しいです。


A3 公式参拝だとか、私人としての参拝だとか、公私を明らかにしない参拝だとか、近隣諸国の感情を考えて参拝を中止するとか、8月の参拝をやめるとか…政府要人とか言われている人たちは、問題を複雑にするかのように訳のわからない言い訳を言いつづけて来ました。これが大問題になった原因の一つです。


  私は国家神道はすでに歴史的存在としてのみ存在すると思っております。憲法改正(悪)が無い限り復活はありえません。と思うので、政府関係者だろうが誰だろうが「公費の支出」を伴なわずにどこへ参拝するのにも反対はしません。ましてA級戦犯を含む戦犯は日本の法律においては犯罪者ではないという判断がなされています(遺族援護法S28)。
 ですから、身内が合祀されていない政府関係者が靖国へ行こうと御伊勢参りをしようと、それがどんなに胡散臭くても「勝手にすれば…」と思っています。


A4 むしろ外圧を受け入れて、国が信仰に介入することこそが「危ない事」だと思います。一宗教法人に対し、日本国家が祭神をはずせと介入するのが正しい事でしょうか?まして他国の宗教の信仰の内容に容喙しようとする態度が真っ当なものかどうか、考えればわかると思います。私自身は(個人的な関わりがないので)靖国は崇敬しておりません。いやなら無視するのが当たり前ではないでしょうか?


  政府が制度的に国家神道を復活させようとするなら私は真っ先に反対しますが、単に彼らが崇敬し参拝するからといって、それを問題視することはできません。


Q 信仰の自由の絡みでの意見ですか?


A そうです。 靖国は一宗教法人であり公共のものではありません。日本国憲法の思想・信条・信教の自由等々の主眼は、誰も個人の内面に手出しできないということです。誰が誰を英雄視しようが、他者に強制するものでなければそれは各自の自由です。(ちなみに安重根をテロリストとしようが英雄としようが、他国の方をどうのこうの言うべきでないのはあたり前ですよね。)


 公務員にだって信仰の自由はあります。だから余計なことを言わずに、公費の支出を伴うと言われるのだったら電車とかバスに乗って、各自の信仰として参拝すればよいだろうものを、ぐだぐだ言うからおかしなことになるのです。(後ろめたい事ほんとに考えているのかと邪推されるだけなのに…)


  宗教に対する国家の介入をこそ私は危惧します。


Q 神道とは何ですか?


A そんなのが簡単に答えられるくらいなら、私、本書いてますって(笑)


 ※木走日記の方のところで、私と同じような意見を見つけてほっとしました。コメントのNoirさんも近いお考えのよう。賛成も反対もなく、干渉はやめるべきだと本当に思います。