竹島交渉

谷内次官、午後に韓国側と協議=事態打開へ調整−竹島海域調査

 竹島(韓国名・独島)周辺海域で日本が海洋調査を計画していることに韓国が反発している問題で、谷内正太郎外務事務次官は21日午後、訪韓し、柳明桓外交通商省第一次官らと会談する。谷内次官は6月の海底名称に関する国際会議で、韓国名表記の提案を見送れば海洋調査を見合わせる方針などを伝達。事態打開を図るが、韓国側の出方は不透明だ。
時事通信

 昨日も述べましたが、この交渉自体は私は支持したいと思います。いったん事が起きた時、調査に向かった海上保安庁の職員の方々の身に不測の事態が起きかねないというところがあるからです。それだけのリスクを彼らに負ってもらう以上、できるだけの手を尽くすということは必要です。
 しかし同時に、この機会に優先されるべきは「事なかれ」ではないとも考えます。フジの「とくダネ」で小倉氏が

 小泉さんになってから中韓との関係が急に悪くなったような気がします

 とおっしゃっていましたが、ここで言外に語られる「かつての良かった関係」というのは単に日本側が「事なかれ」と片務的に配慮していた結果でしかないようにも思えるのです。それは表面上対立を避けただけの関係ではなかったでしょうか。友人関係でも夫婦関係でも一方が譲歩することのみで成立している関係は不健康です。それはどこかに破綻の種を隠しているものです。
 小泉氏の外交、特に中韓に向けての外交を必要以上に持ち上げる気もありません(それがエクセレントであったというわけでもないと考えます)が、少なくともそこには自分(自国)の態度はこうだという自己主張が一貫してあったと思います。これは「なあなあ」で「事なかれ」の関係を闇雲に続ける気はないという明確なメッセージだと受け取れますし、私はそれを支持します。 交渉とはもともと立場の異なる者どうしの話合いです。相手の立場を考えることが必要だとしても、その前に自分の立場を主張しなければそれは交渉とは言えないものになってしまいます。


 見た目仲がいい夫婦を演じることよりも、結構やりあっていながら信頼関係のある夫婦というものになりたいものだと思っています(が、相手がいません)。それはさておき、今回の件では「調査」が主眼ですので、これを譲歩することは余計なメッセージを相手に伝えることになりかねません。それこそ勝手に相手が邪推している「黒い意図」などがあったのだろうと思われてしまうかもしれないのです。それは今後の対韓国におけるすべての交渉に影響を与えかねない重要なポイントです。韓国と今後も付き合いを続けなければならないのであれば、ここでの妙な譲歩は「三年の患い」どころかもっとひどい負の遺産になるでしょう。


 交渉はすべきですが、調査を行うという点での妥協はすべきではない。そう考えています。


(それに、はっきり言えば「自分の立場だけ主張する」「強気に出れば何でもうまいこといくだろうと考えている」ようなジャイアンは個人的に大嫌いなんです。こういう輩を見かけると、どうにもその意図をくじいてやりたくて仕方がないというところはあります。この私の性向が上記判断に若干影響しているかもしれません)